フジ・メディア・ホールディングス(HD)は7日、安田美智代取締役が同日付で辞任したと発表した。会食などの経費精算の際、実際と異なる人数で申請するなどの不適切な行為が複数確認されたため。不適切な申請は2020年以降で約60件、総額で約100万円に及ぶという。兼任していたフジテレビの取締役も辞任した。

フジHDは元タレント中居正広氏の性加害問題を巡る対応で企業体質が問題視され、改革の一環で経営陣を刷新した。安田氏はフジテレビの報道畑出身で、6月の株主総会を経て取締役に就いた。清水賢治社長は記者会見し、「断じて許されるものではなく、心よりおわびする」と謝罪した。

フジHDは9月中旬に安田氏の行為を把握し、過去の記録を調査。本人が事実を認めて返金の意向を示し、辞任を申し出た。私物購入などの私的利用はなかったという。

清水氏は6日に日本民間放送連盟の副会長に就いたばかりで、「非常に悪いタイミングだ」と語った。

不適切な経費精算による取締役辞任を受けた記者会見で、一礼するフジ・メディア・ホールディングス(HD)の清水賢治社長=7日午後、東京都港区

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