
神戸製鋼所が10日発表した2025年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比11%増の628億円だった。鉄鋼事業は市況変動による在庫評価損が拡大した一方、政策保有株の売却益を計上した。
売上高は5%減の1兆1814億円、営業利益は19%減の625億円だった。午後1時の決算発表後、神戸製鋼所の株価は一時、前日比21円50銭(1%)高の1848円まで上昇する場面があった。終値は7円(0.4%)安の1820円だった。

利益を押し上げたのは政策保有株式の売却だ。特別利益に投資有価証券の売却益154億円を計上した。日本製鉄株などの売却益が寄与した。
一方、主力の鉄鋼の経常利益は前年同期比55%減の85億円だった。製品価格と原材料価格の差であるメタルスプレッドは改善したが、原料価格の下落に伴って在庫評価損が拡大し、利益を押し下げた。
アルミ板の経常損益は19億円の赤字(前年同期は43億円の赤字)だった。ディスクの販売増や価格転嫁の進展で赤字幅は縮小したが、4〜9月期では23年以降、3期連続で経常赤字が続く。木本和彦取締役は「26年度にかけて黒字化できるようにコスト改善を進めている」と話した。
米国の関税影響額は26年3月期通期の業績予想に経常利益ベースで30億円を織り込んだ。8月時点では50億円を見込んでいた。建設機械で関税分の価格転嫁が進んだ。
26年3月期の売上高は前期比4%減の2兆4650億円を見込む。鋼材市況の下落を背景に従来予想を150億円引き下げた。純利益は17%減の1000億円と従来予想を据え置いた。
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