証券口座の不正売買額は再び増加した

金融庁は10日、証券会社の口座が乗っ取られた問題で、10月に発生した株式などの不正売買の金額が約190億円になったと発表した。急減した9月に比べ78%増えた。証券各社が対策を進めているが、被害は長引いている。

10月に不正取引が発生した証券会社数は8社で、9月から2社増えた。不正アクセス件数は693件だった。最も多かった4月からは87%減ったものの、303件だった前月からは2倍以上となった。1月からの累計の不正売買額は約7110億円にのぼる。

日本証券業協会は10月15日、乗っ取り問題を受けて不正アクセス防止に関するガイドラインを改めた。偽サイトに誘導して個人情報を盗む「フィッシング」に耐性のある高度な多要素認証をログイン時などに必須とする。金融庁も同様の内容を盛り込んだ新たな監督指針を公表し、対策を急ぐ。

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