
三菱ガス化学は10日、2026年3月期の連結最終損益が170億円の赤字(前期は455億円の黒字)になる見通しだと発表した。従来予想は360億円の黒字。オランダでの化学品プラントの工事を一時中止し、プロジェクト資産の全額にあたる502億円を減損し特別損失を計上した。最終赤字は13年ぶりとなる。
同社はオランダ子会社のMGCスペシャリティー・ケミカルズ・ネーデルラントで「メタキシレンジアミン」のプラントを建設中だった。塗料や接着剤を固めるための硬化剤などに使われる化学品で、最大市場の欧州に進出し24年7月にも生産を始める予定だった。
ただ工事事業者の切り替えによる工事遅れに加え、ロシアのウクライナ侵略で建設費が上昇。代替材料との競争激化など市場環境も悪化し、25年9月に建設工事を一時中断すると発表した。今後は工事再開や撤退、それ以外の選択肢も含め検討を進めているという。
26年3月期の売上高は前期比6%減の7300億円、営業利益は14%減の440億円となる見通しだと発表した。従来予想は売上高は7500億円、営業利益は460億円だった。半導体関連樹脂の販売は好調だが、メタノール市況の悪化などが響く。同社は構造改革を進めるタスクチームを設置し、コスト削減や保有資産の圧縮を進める。
同日発表した25年4〜9月期の連結決算は最終損益が279億円の赤字(前年同期は247億円の黒字)、売上高は7%減の3616億円だった。
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