
【ヒューストン=大平祐嗣、赤木俊介】トランプ米大統領は10日、自身のSNSで「職務を全うした航空管制官には1人当たり1万ドル(約154万円)の報奨金を払う」と投稿した。米政府閉鎖を受け無給となっている空港職員の負担を補う方針を示した。職員の負担軽減のため40の空港で便数制限が続く中、9日には全航空便の1割相当が欠航となった。
トランプ氏は報酬金をちらつかせる一方「職場復帰に従わない者は大幅な減給処分とする」とも投稿した。管制官や運輸保安庁(TSA)の職員は閉鎖中も無給で勤務を続ける義務があるものの欠勤率が高まっている。
9日は全フライトの1割が欠航
英航空調査会社シリウムによると、9日には全フライトの1割相当の2631便が欠航となった。3割以上の航空便で30分以上の遅延も発生した。降雪が重なった中西部イリノイ州のシカゴ・オヘア国際空港では50%以上が遅延した。
10日は米国東部時間午前7時過ぎ時点で5.5%相当の1432便の欠航が見込まれている。欠航はさらに増えるとみられる。

米連邦航空局(FAA)は全米の主要空港40カ所を対象に、14日までに運航を10%まで削減するとしていた。ダフィー米運輸長官は「閉鎖が続けば最大20%になる可能性がある」とも話し、27日の感謝祭前後の祝祭期間には利用できる航空便が「ごくわずかになる」とも述べていた。
ビジネスジェットも対象に
影響はビジネスジェット機に広がった。全米ビジネス航空協会は9日、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港など12の主要空港で飛行制限を受けると発表した。FAAの従来の案内ではビジネスジェットは対象外だった。
米連邦議会上院の与野党の議員は9日、失効した予算を再開するつなぎ予算案で合意した。政府閉鎖は近く終了する可能性が高まった。
もっとも、法案は上院で可決したのち下院の承認を経てトランプ氏が署名する必要がある。この手続きに数日を要するため、空の混乱は少なくとも当面は続く見通し。米航空大手デルタ航空とユナイテッド航空はすでに12日までの運休便を発表している。
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