政府は13日から、石油元売り業者に支給しているガソリンと軽油の補助金を段階的に引き上げる。ガソリン税に上乗せされている暫定税率の廃止に伴う価格下落を段階的に進めて混乱を防ぐ狙い。
暫定税率は、ガソリンが1リットル当たり25・1円、軽油が17・1円。ガソリンと軽油には現在、同10円の補助金を支給しており、13日からいずれも15円に引き上げる。27日には軽油向けが暫定税率と同額の17・1円、12月11日にはガソリン向けが25・1円に達する。財源には「燃料油価格激変緩和対策基金」の残高約8000億円を活用する。
給油所には在庫があるため、小売価格に反映する時期は数日程度遅れるとみられている。
経済産業省が12日に発表した石油製品価格調査によると、10日時点のガソリンの全国平均小売価格は1リットル当たり173・5円。13日以降は、これより5円程度安い小売価格に引き下がる見通し。政府は暫定税率の廃止時期を、ガソリン税が12月31日、軽油引取税が来年4月1日とし、補助金はその前日まで支給する。
販売の頻度が低く補助金増額前の在庫を長く抱えやすい中小ガソリンスタンドは周囲との競争上、補助金分を負担してでも値下げせざるを得ない可能性がある。赤沢亮正経産相は7日の閣議後記者会見で、こうした事業者への資金繰り支援などの検討を指示した。政府の総合経済対策に盛り込まれる。
ガソリンなどの補助金は価格高騰への対応策として2022年1月に始まった。これまでに7兆円超を投じている。【中島昭浩】
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