
中国電力は、三隅石炭火力発電所(島根県浜田市)の燃料運用を最適化するために人工知能(AI)システムを導入した。石炭品種やバイオマス燃料の組み合わせ比率の提案や、石炭の調達計画案などを短時間で策定できる。人手頼みだった作業を効率化し、発電所の安定運転や運営コストの抑制につなげる。
三隅発電所は燃料に石炭と木質バイオマスを使っており、発電出力は200万キロワット。システムはエクサウィザーズと開発、このほど本格運用を始めた。
AIに発電所の運転などに関するビッグデータを学習させた。石炭の品種やバイオマス燃料の特性を入力すると、最適な燃料のブレンドパターンを最大4000通り提案する。かかる時間は90分程度だ。
ブレンドパターンは発電量の増減見通しなどに基づき作成する。人手だと40通り程度つくるのに2〜3日必要という。中国電はパターン最適化により、高品位炭に比べて発熱量は低いが価格が安い、低品位炭の活用拡大にもつなげる。
燃料の在庫状況や消費予定などを入力すると、最適なブレンドパターンに基づいた調達計画も策定できる。3カ月分の計画策定に人手だと1日かかっていたのが30分程度でできるようになるという。在庫管理の最適化で燃料の調達コストも抑えられるとみている。
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