譲渡する東京・四谷の本社ビル

雪印メグミルクは14日、本社移転に伴う東京・四谷のビルの譲渡益が175億円になりそうだと発表した。譲渡価格は236億円で、帳簿価格は60億円。譲渡先は国内企業で引き渡しは2026年5月を予定する。26年4〜6月期決算で固定資産売却益として175億円の特別利益が発生する見込み。

本社移転は24年に発表していた。本社ビルの土地面積は約3000平方メートルで、建物の延べ床面積は約1万8000平方メートル。本社は本館と別館に分かれていて、社内のコミュニケーションをとりづらかった。本館は1966年、別館は77年完成で老朽化も進んでいた。本社機能は12月下旬から虎ノ門アルセアタワー(東京・港)に移管する。

生産を中止する興部工場(北海道興部町)

同日、家庭用・業務用の練乳や業務用の濃縮乳を生産している興部工場(北海道興部町)の生産を2027年3月末に中止すると発表した。設備が老朽化しているため。練乳は生産委託し、濃縮乳は今後供給を続けるかどうか検討する。25年4〜9月期決算で特別損失21億円を計上した。

従業員は契約社員などを含めて63人。今後も就業を希望する従業員は配置転換する。工場などの今後の使い道は未定。生乳を集めて保管する同工場に設置の「クーラーステーション」については、ホクレン(ホクレン農業協同組合連合会)と協議する。

興部工場は1930年に集乳所として開設し、49年に粉乳生産を始めた。敷地面積は約2万4000平方メートル、建屋面積は約9000平方メートル。

雪印メグミルクは北海道に数カ所工場を持つ。5月には、なかしべつ工場(北海道中標津町)でチーズなどを増産するために約460億円投資することを発表している。

同日、2026年3月期の連結売上高が前期比2%増の6300億円になる見通しだと発表した。従来予想から100億円下方修正した。原材料費や物流費の上昇で値上げした飲料などの販売量が想定以上に減った。営業利益は1%減の190億円、純利益は2.2倍の300億円で据え置いた。

同日発表した25年4〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比1%減の3092億円、純利益が24%増の112億円だった。値上げによる販売減の影響を受けたが、政策保有株式の売却が押し上げた。

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