射出成型機メーカーの日精樹脂工業とTOYOイノベックスは14日、経営統合すると発表した。株式移転方式による共同持ち株会社を2026年4月1日に設立する。両社は上場廃止して新会社の傘下に入り、新会社は東証プライム市場に上場する見通し。中国企業の台頭など国際的な競争が激しくなる中、経営資源を結集して生き残りを図る。
新設する共同持ち株会社は「GMSグループ」。26年1月下旬の両社の株主総会で共同株式移転計画の承認決議を経て、3月30日に上場を廃止する。日精樹脂工業の株式1株に対して新会社の株式2株を、TOYOイノベックスの株式1株に対して同1.51株を割り当てる。
新会社の会長兼最高経営責任者(CEO)には日精樹脂工業の依田穂積社長が、社長兼最高執行責任者(COO)にはTOYOイノベックスの田畑禎章社長が就任する。
日精樹脂工業の26年3月期の売上高見通しは442億円、純利益5億5000万円。TOYOイノベックスの売上高見通しは300億円、純利益1億5000万円を見込む。
経営統合について、日精樹脂工業の担当者は「地政学的なリスクや技術者の不足、環境問題への対応といった課題を共有していた」ことが背景にあると話す。TOYOイノベックスは電気式の射出成型機を製造する一方、日精樹脂工業は油圧式やハイブリッド式の製品が中心と重複が少ないことも後押しした。
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