
JR東日本グループが11月、大宮駅(さいたま市)周辺で新たな商業施設を相次ぎ開業している。ルミネ(東京・渋谷)はこのほど、埼玉県産食材の地産地消や栄養バランスなどを意識したメニューを提供する食関連施設をオープンした。29日にはJR東日本などが、サウナやキャンプなどを楽しめるアウトドア体験施設を開く。
大宮駅は首都圏や北関東など、東日本の広域圏から人が集まる交通の結節点として機能しているが、通過するだけの人も多い。街の魅力を高め、市外からの誘客にもつなげる。
大宮駅の東口から徒歩1分の場所に13日、食をテーマにした施設「ムスブルミネ」が開業した。1階にカフェ、2階にレストランが入る。売りの一つが健康を意識した「一汁三菜」の献立で、季節の食材をふんだんに取り入れている。お昼どきに訪れてみると、子育て親や女性客の姿が目立った。
地産地消を通じ、埼玉県の食のPRにも一役買う。朝食の時間帯にはカフェで、宮代町の低農薬米を使ったおかゆを提供。レストランでは大宮市場から仕入れた魚などを料理に使用する。協同商事(埼玉県川越市)が運営するオーガニック野菜・果物の専門店「ORGANIC&CO.(オーガニックアンドコー)」も併設している。

忙しい日常を忘れられる新たな商業施設も、西口近くでお披露目を控えている。JR東日本とジェイアール東日本都市開発(東京・渋谷)が29日に開業する「リトルリトリートデポ」は、たき火やバーベキューなど様々なアウトドア体験を提供する。
同社が過去に使用していた点検設備、廃レールなど鉄道にちなんだ景観を生かしつつ、非日常を演出。「都市生活に慢性的な疲労感を感じている人が、心身をリセットできる場」とする。
日本各地の企業から、薪やスチームなど種類の異なるアウトドアサウナ小屋を集め、当面は6種類、2026年春以降は7種類のサウナを運営する予定だ。キャンプ初心者の練習場「campass(キャンパス)」も施設内で運営する。
開業の29日にオープニングイベントを開催。アウトドア有識者によるトークセッションを催すほか、キッチンカーの出店などを予定している。JR東日本は「鉄道の街・大宮の一要素として、地域の人だけでなく、東京都内などからも人を呼び込みたい」と意気込む。

大宮駅の24年度の乗車人員(1日平均)は25万4220人と回復しつつあるが、新型コロナウイルス禍前の18年度(25万8108人)の水準には戻っていない。新施設は沿線の利用増とともに、市外から人を呼び込み、街での滞在時間を増やすことにも寄与しそうだ。
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