関西電力は17日、フランスで製造されたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料32体を受け入れたと発表した。燃料を積んだ輸送船が同日、高浜原発(福井県高浜町)に到着した。海外から同原発への輸送は7回目で、2022年11月以来、約3年ぶり。運ばれた燃料は高浜3、4号機で使用する。
MOX燃料は、使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムに、ウランを混ぜて再利用できるようにしたもの。仏原子力大手オラノのグループ企業が製造し、輸送船が今年9月に仏シェルブール港を出発していた。
輸送船は午前4時半ごろ、高浜原発内の港に到着。協力会社の社員が輸送容器4基の放射線量を測定し、異常がないことを確認した上で、午後6時半ごろに保管用の施設に移送した。
既存の原発でMOX燃料を用いた発電は「プルサーマル発電」と呼ばれる。使用済み燃料の再利用を掲げて国が推進する「核燃料サイクル」の要の一つだ。電気事業連合会は30年度までに少なくとも12基での実施を目指しているが、現状は高浜3、4号機を含む4基にとどまっている。
関電はMOX燃料について、今年10月末時点で24体を使用しており、このほか使用済みの60体を所有する。同社が国内外に保有するプルトニウムは、24年末時点で約11.3トンに上る。
フランスから関西電力高浜原発に輸送されたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料が入った輸送容器=17日午前、福井県高浜町(関西電力提供)
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