NTNの微細塗布装置

NTNは18日、iPS細胞由来の心筋細胞を実験用プレートの定位置に適量を塗布する技術を開発したと発表した。微細塗布装置を使い、従来は人手でこなしていた作業を自動化した。創薬実験の効率化や信頼性の向上などにつながると期待する。

微細塗布装置は、ごく少量の液剤を高速かつ高精度で目標位置に適量を塗布できる。iPS心筋細胞の拍動を検出する実験では、液剤の濃度や「塗布針」の位置・形状を制御するなどし、細胞を培養プレートの決まった位置に必要な量だけ塗布することに成功した。必要以上の細胞を塗布せずに済み、使用量を約80%減らせたという。

iPS心筋細胞の拍動を検出することに成功した

2028年度をめどに量産し、医薬品や化学、食品、化粧品メーカーへの販売をめざす。同日の技術発表会で未来創造開発本部の大庭博明主査は「実験の効率化を進めて開発期間を短縮することで、創薬分野に貢献したい」と話した。

NTNは液晶ディスプレー向けに微細塗布装置を手掛けてきたほか、センサー向けに接着剤や溶媒の塗布、半導体向けに有機材料の塗布などにも応用している。こうした技術をライフサイエンスにも生かしていく考えだ。

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