公正取引委員会の看板。公正取引委員会などが入る中央合同庁舎第6号館B・C棟で=東京都千代田区霞が関で2019年、本橋和夫撮影

 人気ブランドのサングラスを自社が定めた価格より値下げして販売しないよう小売業者に指示した独占禁止法違反(再販売価格の拘束)の疑いがあるとして、公正取引委員会は19日、世界的な眼鏡メーカーの日本法人「ルックスオティカジャパン」(東京都千代田区)を立ち入り検査した。関係者への取材で判明した。

 同社は「レイバン」「オークリー」といった独自ブランドを展開する欧州の眼鏡大手「エシロール・ルックスオティカ」の子会社。日本国内でサングラスなどのアイウエア販売を手掛け、業界大手の一角を占める。

 関係者によると、同社は数年前ごろから小売業者に対し、「レイバン」と「オークリー」のサングラスのうち売れ筋などの一部商品について、希望小売価格より値下げしないよう指示していた疑いがある。また、割引販売をする際、自社が定めた割引率を超えないように求めた疑いも持たれている。

 独禁法は書籍など例外を除き、小売業者に自由に販売価格を決めさせない行為を「再販売価格の拘束」として禁じている。正当な理由のない人為的な価格設定は小売業者間の公正な競争を制限し、価格の高止まりにつながるとされる。

 公取委は、同社が指示に従わなければ不利益を被ると小売業者に示唆するなどして、「拘束」に実効性を持たせていた可能性を視野に調べる模様だ。

 民間の市場調査会社「矢野経済研究所」によると、2023年の既製サングラスの国内市場規模は約396億円。新型コロナウイルス禍以降、アウトドアや外出時の紫外線対策などで市場規模は右肩上がりが続いていたという。【山田豊】

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