マンダムは19日、MBO(経営陣が参加する買収)に向けて投資ファンドが同社株を取得する目的で設立した会社が実施中のTOB(株式公開買い付け)期間を12月4日まで再延長すると発表した。従来は19日を期限としていた。1株1960円のTOB価格は維持する。

再延長の理由をマンダムは「本公開買い付けへの応募状況や今後の応募の見通しを総合的に勘案し、成立の可能性を高めるため」と説明している。

投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズ系のカロンホールディングス(HD)がTOBを9月26日から始めた。カロンHDはTOB発表当日の終値より32%高い1株1960円で買い付けを進めている。足元では買い付け価格を大幅に上回る1株2300円前後で推移する。

マンダムのMBOに対しては、アクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏の長女の野村絢氏らがTOB価格を「著しく割安」などと指摘する。野村氏らは急速かつ大量に株式を買い集め、10月31日までに20.03%を取得したことがわかっている。

投資ファンド、ひびき・パース・アドバイザーズも10月30日までにマンダムの株式を5.01%取得した。保有目的を「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などをするため」と説明する。ひびきもTOB価格について「マンダムの本源的な企業価値を反映したものではない」と表明し、同社側に説明を求めていた。

野村氏らの大量取得を受け、マンダムは野村氏らが株式を20%以上取得しようとした場合、買い付け趣旨の説明や情報提供といった手続きを求める対応方針を4日に決めた。実現可能性のある買収提案を募集・精査する時間を確保することが目的だとしている。

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