東レが開発した新素材「デューエイトPS」を使った衣類(19日、東京都千代田区)

東レは19日、リサイクル素材を使い水をはじく機能を持つ新たな素材を開発したと発表した。撥水(はっすい)のためのフッ素化合物を使わず、糸や織物の構造を工夫した。既に開発していた素材の機能はそのままにリサイクル材を活用し、秋冬向けに柔らかな質感にした。

新素材「デューエイトPS」は、原料はポリエステルで回収したペットボトル由来の原料を約50%使っている。2027年の秋冬シーズン向けから提案し、30年度に5億円規模の売り上げを目指す。

フッ素化合物を使わずに水をはじく「デューエイト」は主に夏向けの素材として25年の春夏向けから供給し始めた。秋冬向けに使える素材を求める声があり、柔らかい手触りの素材を開発してレパートリーを増やし、コートなど向けの用途を見込む。

通常、撥水機能を持たせるためにフッ素化合物で表面処理することが多い。デューエイトシリーズでは生地表面の微細な凹凸と水滴の間に空気の層ができ、水滴が衣類にとどまらず、ぬれるのを防ぐ。新素材では水をはじく機能に加え、極細の糸を何層にも重なったかさ高いループ状の構造にして、なめらかな触感を実現した。

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