三菱電機が開設したセレンディストリート大阪。会議室も備え、顧客と打ち合わせができる(19日、大阪市)

三菱電機は19日、さまざまな機器の稼働データなどを活用して新サービスを創出する拠点「セレンディストリート大阪」をJR大阪駅前に開設した。1月に横浜市に開いたのに続き、国内で2カ所目となる。センサーや空調機器、エレベーターなど幅広い製品を提供している強みを生かし、顧客企業とともにデジタルサービスを開発する。

三菱電機の関西支社が入る複合ビル「グランフロント大阪」(大阪市北区)に共創スペースを設けた。延べ床面積は約110平方メートルと小ぶりで、会議室などを備える。顧客企業の情報を入力すると、生成AI(人工知能)が三菱電機との協業アイデアを出すツールを用意し、議論が弾むようにした。

例えばオフィスビル内でどこに誰がいるかというセンサーのデータを使って、飲食物を自動配送ロボットで配達するといったアイデアがあるという。大阪駅前という好立地を生かし、関西のほか広く西日本の顧客との連携を目指す。

大阪にはパナソニックホールディングスやシャープ、ダイキン工業など競合企業がひしめく。同日説明会に登壇した三菱電機の関西支社長を務める中谷太郎執行役員は「三菱電機の特徴は、豊富な製品のラインアップだ。顧客課題を聞き出し解決するトータルソリューションを提供するにあたり、非常に大きな強みになる」と強調した。

大阪の拠点は顧客とサービスを企画する場としており、サービスや機器のプロトタイプ開発や実証実験は先行して開業したセレンディストリート横浜に場を移すことを想定する。

三菱電機は2024年5月に部門横断でデータを活用しながら新サービスを開発する技術基盤「セレンディ」を立ち上げた。30年度にはセレンディ関連事業の売上高を1兆1000億円とする目標を掲げる。

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