ファーストリテイリングは19日、東京都内でサステナビリティー(持続可能性)に関する説明会を開いた。サプライチェーン(供給網)全体の排出量を示す「スコープ3」では温暖化ガス(GHG)の削減目標を引き上げる。オーストラリアではウールを指定農場から調達し、動物福祉や環境、人権などに問題がないか確認する取り組みも始めた。

同社のスコープ3のGHG排出量は、二酸化炭素(CO2)換算で2024年度に339万トンと19年度比で18.6%削減した。当初は30年度までにスコープ3でGHGを19年度比で20%削減する目標だったが、10ポイント引き上げて同30%削減とした。生産パートナーとの協業などで当初目標を前倒しで達成できる見込みとなったため、目標の引き上げを決めた。今後はGHGの排出量の少ない素材の使用拡大などで新目標の達成を目指す。

トレーサビリティーでは定期的な監査の対象に豪州のウールも加える。同社は23年に綿商品を対象に紡績工場を特定し、定期監査を導入している。24年にはカシミヤ100%の商品のサプライヤーを特定。同年の秋冬商品から、洗毛工場と紡績工場への監査を実施している。

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