
東京海上ホールディングス(HD)は21日、米国で農畜産物に特化したコンサルティング会社の米アグリヘッジ(イリノイ州シカゴ)を9億7000万ドル(約1500億円)で買収すると発表した。農畜産物の価格変動の影響を低減させるための助言と、東京海上が扱う保険を顧客に提供する。
東京海上HDがアグリヘッジの全株式を26年1〜3月期に取得する。アグリヘッジは保険代理店業も営み、東京海上HD子会社の米HCCインシュアランス・ホールディングスが提供する保険商品を販売している。年間売上高は1億3000万ドル。
農畜産物は天候次第で収量が変わるため価格が上下しやすく、農家や畜産業者の収益が不安定になるリスクがある。アグリヘッジは農家などが価格変動で被る損失を補償する保険や金融派生商品(デリバティブ)を販売したり、損失低減に向けた相談に応じたりしている。
東京海上は保険だけでなく、リスク低減や被害があった後の早期復旧サービスなどを提案するソリューション事業に力を入れている。被保険者にとっては被害や被害の大きさを減らすことで、将来的な保険料の支払いの削減も見込める。
北米は損害保険市場の4割を占め、今後も高い成長性が見込める。国内損保は政策保有株の売却益を元手に北米でのM&A(合併・買収)を加速している。東京海上は10月、米イグナイト・インシュアランスの自動車保険部門を950億円で買収した。
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