実証実験で連携するAGCの吉羽執行役員㊧と横浜市の山中市長(21日、横浜市)

AGCと横浜市は21日、公共施設の解体工事で発生する廃棄窓ガラスのリサイクルを実証実験すると発表した。廃棄窓ガラスを新たな窓ガラスとして再生する「水平リサイクル」は公共建築物で進んでおらず、取り組みは全国で初めてという。作業手順やコストを調査し、循環システムの構築を目指す。

12月から2026年3月にかけて実施する。市立小学校の窓ガラスをリサイクル事業者が加工し、AGCの横浜テクニカルセンター(同市)で再生後の板ガラスを製造する。リサイクル製品は既に通常製品と同等の品質が確認されており、通常製品と同じように販売する予定という。

小学校の旧校舎から約7トンのガラスのリサイクルを見込む=横浜市提供

国内で廃棄される窓ガラスは年約50万トン。建築物の窓ガラスはコンクリートなどと異なり、再資源化が義務付けられていない。同社によると1トンの水平リサイクルで天然資源の使用量を1.2トン、二酸化炭素(CO2)の排出量を600キログラム削減できる。実証では最大7トンの再生を見込む。

AGCの吉羽重樹執行役員は「物流網の構築が課題。活動を広げる契機としたい」と指摘。横浜市の山中竹春市長は「市内に多数ある市営住宅や学校で展開できるか検討したい。メーカーと解体事業者をつなぎ、循環型社会を目指す」とした。

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