米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=ワシントンで2025年10月29日、AP

 米労働統計局(BLS)は21日、10月の消費者物価指数(CPI)の公表自体を見送ると発表した。CPIの月次データ公表見送りは確認可能な1994年以降で初めて。11月分の公表も12月18日にずれ込む。

 雇用統計も10月分の公表が見送られ、11月分の発表は12月中旬に延期されている。米連邦準備制度理事会(FRB)は12月9、10日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。3会合連続の利下げに踏み切るかが注目点だが、FRBが重視する物価と雇用の主要統計を確認できない状況で政策判断を下す異例の対応を強いられることになる。

 43日間に及んだ連邦政府機関の一部閉鎖により、必要なデータを収集できなかったことが要因だ。CPIは全米の小売店やサービス施設への訪問調査を主体に、モノやサービスの価格動向を収集しているが、10月はデータ収集が一切できなかった。11月分の公表日も当初予定していた12月10日から同18日に延期する。

 FRBは主要経済指標など最新のデータをもとに金融政策を判断する。2会合連続の利下げを決めた10月のFOMC議事録によると、複数の参加者が政府機関閉鎖の長期化で経済データが入手しにくくなり、経済情勢に関する正確な評価が困難になる可能性があるとの懸念を示していた。【ワシントン浅川大樹】

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