米オープンAIが9月末に公開した動画生成AI(人工知能)「Sora(ソラ)2」は高精度な動画で世界を驚かせた。ただ日本アニメのキャラクターが無断で使われたことで著作権軽視との批判が高まり、日本政府が対応を要請する事態となった。一連の騒動から何を教訓とすべきか、関係者や有識者9人に聞いた。
①創造性奪うAI、正しく恐れよ 声優の池澤春菜氏
「SNSで人々の反応を観察してショックだったのは、無邪気に動画を公開・拡散する人があまりに多かったことだ。『クリエーター』を名乗る人もいた。(権利者がいるという)想像力が足りていないのか」…続きはこちら ②OpenAI、コンテンツ権利者に敬意欠く CODA後藤健郎代表理事

「CODAは映像や出版など57の企業・団体が参加し、海賊版の投稿削除やサイト閉鎖といった権利保護に取り組んできた。Soraの登場に複数の会員から『業界の脅威だ』という声が寄せられ、意見を伝える必要があると判断した」…続きはこちら ③AIはまだ「推しキャラ」作れない カカクリエイション竹原康友氏

「アニメ特有の動きを表現できることに驚いた。例えば人がパンチするシーン。ソラだとパンチを出した次の瞬間、アングルが相手にヒットする画面に切り替わる。動きや視点をうまくアニメ風にデフォルメできている」…続きはこちら ④Sora巡りアルトマン氏に抗議、AI法発動を主張 塩崎彰久衆院議員

「10月1日朝、知人から『やられました』とメッセージが届いた。見ると、ソラで日本アニメやゲームのキャラ動画が大量に生成できてしまう。驚いた。明らかに著作権法を侵害している」…続きはこちら ⑤AI巡る著作権訴訟、企業連携も有効に 福岡真之介弁護士

「AIの著作権問題は、情報を『学習』する段階と、生成物を『出力』する段階に分けて考える必要がある。『出力』段階で、誰が責任を負うかと言えば、生成物を公開した利用者だ。複製権、公衆送信権の侵害にあたる」…続きはこちら ⑥Sora発で動画AI普及、日本キャラで先行者利益狙え 尾原和啓氏

「オープンAIは意図的にグレーな所を突く『ずるい』やり方をした。米国では著作権侵害の投稿があっても、申請に応じて早く削除する仕組みがあれば運営者は免責される。オープンAIも削除申請の窓口は設けてはいた」…続きはこちら ⑦AI学習の許諾や対価、法律で仕組みを JASRAC河辺常務理事

「不安や懸念の声が多い。1〜2月に音楽クリエーター970人が回答したアンケートでは、自身の作品がAIの学習に使われることに『反対』『どちらかといえば反対』という答えが計53%にのぼった」…続きはこちら ⑧Soraの普及、個人のAIタレント化に道 AiHUB新井モノ氏

「動画AIの性能としては予想範囲にとどまっていた。直近では字節跳動(バイトダンス)などの中国企業が高精度な動画AIを相次いでリリースした。中国に対抗するべく、オープンAIは急いでリリースする必要があった」…続きはこちら ⑨動画生成AIは補助ツール、制作時間8割減 フジテレビ金森健彦室長

「画期的な技術だと感じている。初期バージョンは、人の顔の輪郭が途中から変わってしまうなどの課題があった。ソラは短期間で驚くような進化を遂げた。過去の入力内容が映像に反映されやすくなっている」…続きはこちら
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