三菱UFJ銀行京都支店の社員食堂で、生ごみを肥料に再利用した特別メニューを味わう松井市長㊧と小杉支店長(25日、京都市)

三菱UFJ銀行は京都支店内の社員食堂で「持続可能な食の循環フェア」を開いた。食堂から出た生ごみを液体肥料にすることで、化学肥料を使わない新たな農業モデルを実現した。社員食堂では生ごみの肥料で育ったコメやサツマイモ料理が特別メニューとして振る舞われた。

生ごみを肥料に活用するプロジェクトは環境省の実証実験として、2022年度から京都市北部の京北エリアで進めている。これまでは京都市内の小学校の残飯を中心に活用していたが、24年度から三菱UFJ銀のほか、ホテル「ザ・プリンス京都宝ケ池」と地元スーパーの3事業者が生ごみの提供を始めた。

メタン菌によって生ごみを発酵させることで、液体肥料に生まれ変わる。1日500〜600キログラムのごみを受け入れており、24年度には計30トンの生ごみを肥料に変えた。肥料は京北エリアの田んぼ約4700平方メートルと、サツマイモやカボチャ畑の一部で使われている。

25日に開かれた記者会見で松井孝治市長は「循環型社会の一つのモデルを作ってもらったことに感謝したい」と語った。三菱UFJ銀の小杉裕司京都支店長は「生ごみの再利用で追加費用がかかるのは紛れもない事実。今回の取り組みが広がって、より高く食材が売れて農家が潤う形を目指したい」と話した。

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