自民党の高市早苗総裁

 政府は25日、政府と経済界、労働界の代表が協議する政労使の会議を首相官邸で開いた。高市早苗首相は来年の春闘に向け、2024、25年の賃上げ水準と同様に「5%を超える高水準となっている賃上げを確かなものとして定着させるために協力を心よりお願いする」と要請した。

 政労使会議の開催は高市政権で初めて。経済界から経団連の筒井義信会長、日本商工会議所の小林健会頭、労働界からは連合の芳野友子会長らが出席した。

 高市氏は21日に閣議決定した経済対策で、中小企業・小規模事業者への支援として政府全体で1兆円規模を用意し、賃上げを後押しすることなどを説明。「政府は賃上げを事業者に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整備するという内閣の方針への理解を(労使から)得た」と強調した。

 筒井氏は会議後に記者団に「賃上げの力強いモメンタム(勢い)を更に定着させたいと(会議で)申し上げた」と話した。小林氏は足元の円安について触れ、「中小企業は輸入が多いから為替の影響はものすごく受けやすい。為替を何とかしてもらいたいと申し上げた」と明かした。

 芳野氏は「賃上げの実現に向けて同じ方向性を確認できた。政府の支援策に期待したい」と語った。会議では首相が検討を指示した労働時間規制の緩和について発言し「労働者の命と健康を確保することを考えると規制緩和は認められない」と述べた。

 首相は14日の国会答弁で最低賃金を巡り、前政権が掲げた「20年代に全国平均1500円」の目標について明言を避けたが、この日は議題にならず、首相の言及はなかった。【山口敦雄、加藤美穂子、塩田彩、原諒馬】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。