首相官邸=2025年7月22日午前10時20分、平田明浩撮影

 政府がとりまとめた経済対策の裏付けとなる2025年度補正予算案で、11兆6000億円程度の国債を追加発行することが26日、明らかになった。25年度の税収は初めて80兆円台となり、当初の見込みより上振れた3兆円弱を財源に充てるが、高市早苗政権が掲げる「積極財政」のもと巨額にふくらんだ経済対策の大半を借金である国債に頼る構図となる。

 国債の内訳は、公共事業費などの財源となる建設国債が3兆円台、建設国債を発行しても歳入が足りないために発行する赤字国債は、8兆円台になる。

 首相は経済対策を策定した21日の記者会見で、25年度の当初予算と補正予算を合わせた新規国債の発行額は、24年度を下回る水準になると説明した。だが、これは石破茂前政権が発行額を抑えた影響が大きい。

 赤字国債の規模は24年度補正(3兆6100億円)の2倍を超える。国債全体の追加発行の規模もコロナ禍後の23年度(8兆8750億円)、24年度(6兆6900億円)を大きく上回る。国債市場では財政悪化懸念から長期金利の上昇傾向が続き、外国為替市場でも円安が進んでいる。

 一方、25年度税収は約80兆7000億円と見込み、6年連続で過去最高を更新することになる。賃上げや企業の収益増に伴う所得税収と法人税収の増加に加え、物価高に伴う消費税収の増加があり、当初の見込みより上振れる。政府は、25年度当初予算の税収を77兆8190億円と見積もっていた。

 一般会計補正予算案は、一部の経費増などを織り込み、18兆円程度になる見込み。政府は特別会計を含めた補正予算案を28日にも閣議決定し、開会中の臨時国会での成立を目指す。【加藤結花、井口彩】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。