日銀の野口旭審議委員は27日、大分市で記者会見し、利上げの判断について「遅すぎず、早すぎずやらなければいけない状況に入っている」と表明した。「(物価)目標に近づくほど、遅れることで物価や経済を上振れさせてしまうマイナス面は強くなる」と述べ、適切なタイミングで利上げを行う考えを強調した。
野口氏は9月の講演では「政策金利調整の必要性がこれまで以上に高まりつつある」としていたが、「考え方自体が大きく変わったということは全くない」と説明。利上げの時期が迫っているとの見方を改めて示した。
金融政策運営の判断に当たっては、来年の春闘に向けた賃上げの状況を注視する姿勢を見せた。その上で「必ずしも、春闘が終わらない限り何もできないというものではない」と指摘し、春闘の大勢が判明する来年3月より早く利上げに踏み切る可能性を示唆した。
記者会見する日銀の野口旭審議委員=27日午後、大分市
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