任天堂は「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ・ツー)」販売見通しを上方修正した

日経平均株価が高値圏で推移するなか、株式市場で企業業績への注目が高まっている。2026年3月期の最終損益の上方修正期待が高い企業はどこか。アナリスト予想と会社予想との乖離(かいり)額を集計すると、映画や半導体など稼ぎ頭が分散して業績に安定感のあるソニーグループが3位に、新型ゲーム機が好調な任天堂が5位に入った。

26年3月期の最終損益について会社予想とアナリスト予想の平均を比較した。対象は3社以上の証券会社の予想があり、変則決算などを除く約380社。アナリスト予想は各社の25年4〜9月期決算発表が一巡した11月17日時点のQUICKコンセンサスを使った。

アナリストの純利益予想が会社予想を最も上回るのはトヨタ自動車だ。会社予想は前期比39%減の2兆9300億円なのに対し、アナリスト予想は前期比30%減の3兆3451億円と4151億円の上振れを見込む。

市場が期待するのは、米関税のマイナスを打ち返す販売増だ。トヨタの世界販売台数は4〜9月期に前年同期比5%増と上半期として過去最高を更新した。「米国でのハイブリッド車(HV)の需要が非常に強い」(近健太最高財務責任者=CFO)と見通しも明るい。岡三証券の成瀬伸弥シニアアナリストは「米国を中心とした価格転嫁による販売低迷リスクなど、会社計画は相当慎重に見積もっている」と指摘する。

円安も追い風となる。自動車各社の今期の想定為替レートは1ドル=140〜147円と実勢レートの150円台後半よりも円高に設定している。ランキング上位15社のうち5社がホンダ(2位)、スズキ(10位)など車大手だった。

ソニーグループなどエンターテインメント事業を手がける企業も上位に入った。世界貿易機関(WTO)の取り決めによりデジタルコンテンツは関税の課税対象外で、米関税の影響を受けにくいことも業績を下支えする。

任天堂は新型ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ・ツー)」の販売が好調だ。4〜9月期のスイッチ2の世界販売台数は1036万台と、修正後の通期計画に対する進捗率は55%に達した。ソフトの販売も好調で「マリオカートワールド」や「ドンキーコングバナンザ」などヒット作も生まれている。

岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは「任天堂の知的財産(IP)の強さからスイッチ2の販売が想定以上だ。販売台数は年末商戦を含む下期に偏重しており、業績上振れ期待は高まっている」と話す。

一方、アナリスト予想と市場予想との乖離額がマイナスの上位企業で目立つのはゼネコン大手だ。大成建設、大林組、鹿島は4〜9月期決算発表時に通期の会社予想を上方修正した。市場では建設コストの上昇を背景に発注者側の理解が進み、価格転嫁の浸透が想定以上との声が多い。アナリストが足元の好調さを予想に反映していけば、マイナス幅は縮小する可能性がある。

11月中旬時点のプライム企業の26年3月期純利益は前期比2%減と、従来予想(8%減)から減益幅が縮小した。野村証券がまとめた、アナリストによる業績予想の上方修正から下方修正の割合を引いて求める「リビジョン・インデックス」は7月から改善傾向が続く。野村の北岡智哉チーフ・エクイティ・ストラテジストは「会社計画は140円台の為替を前提にするなど余裕があり、さらなる上方修正の余地がある」とみる。

(中田千陽、岡本孔佑)

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