
産業用ロボット最大手のファナックは1日、米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)と提携すると発表した。人工知能(AI)を搭載したロボットを開発する。AIが機械を自律的に制御する「フィジカルAI」が脚光を集め、ロボットへの参入企業が増えるなか、AI半導体の雄との協業を通じて開発競争を勝ち抜く。
エヌビディアが手掛けるロボット向けの組み込みコンピューターを採用し、センサーなどを通じて集めた周囲のデータをもとに動作を判断できるロボットを開発する。エヌビディアのソフトウエアを用いた仮想空間上の工場でファナックのロボットを動かしてAIの学習を進められるようにし、「賢いロボット」を現実の工場にいち早く設置できるようにする。
ファナックがフィジカルAIへの取り組みを対外的に表明するのは初めて。
国際ロボット連盟(IFR)によると、2024年に世界で稼働していた産業用ロボットは約466万台だった。ファナックは台数ベースで2割近いシェアを握っており、導入実績を武器にフィジカルAIの開発競争でも攻勢をかける。
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