
村田製作所は1日、投資家向けの説明会を横浜市で開いた。中島規巨社長は「人工知能(AI)バリューチェーンにどういったものを提案できるかが企業の価値を決める」と述べた。主力製品の積層セラミックコンデンサー(MLCC)で需要の伸長を見込む。通信向け部品などのデバイス事業は「利益創出源の複線化に向けては物足りない」とした。
村田製作所は2027年度までの3カ年の中期経営計画で、売上高2兆円以上、営業利益18%以上を掲げている。計画の進捗について中島社長は「オントラック(想定通り)で進んでいる」と説明した。
けん引するのは、AI向けの売上高だ。世界的にAIデータセンターへの投資が拡大するなか、世界シェアで4割を握るMLCCの販売が伸びる。AIサーバー1台あたりに搭載するMLCCの数は1万5000〜2万5000個を見込む。サーバー向けの電源モジュールも26年度から業績に貢献する。
MLCCの供給逼迫について、中島社長は「顧客と長期間の契約を結んでいるケースが多く、供給に心配はない状況だ」とした。需要の高まりに合わせて、年間1割程度の生産能力の増強に向けて設備投資を続ける。
一方で、通信向け部品などの「デバイス・モジュール」事業は課題がある。中島社長は「MLCCに対する利益依存度が高い状態が続いている。デバイス事業の挽回策を仕上げていく」と語った。電波の送受信に使う高周波モジュールのスマホメーカーへの採用については「もともと思い描いていた想定からは低めになる」と話した。
電子部品メーカー各社がグローバルで生産体制を広げるなか、不適切会計の疑いで調査が進むニデックを念頭にした発言もあった。中島社長は「買収で企業が大きくなると(会計問題は)対岸の火事ではない。『ちゃんともう一度調べろ』と指示したが、(ニデックと)似たようなケースはなかった」と述べた。
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