自動車大手「スズキ」の完全子会社が、発注量が大幅に減った部品の製造で発注単価を据え置いたとして、公正取引委員会は近く、下請法違反(買いたたきなど)で再発防止を求める勧告を出す方針を固めた。

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 勧告を受けるのは自動車部品製造「スニック」(静岡県磐田市)。関係者によると、同社は2024年以降、自動車の修理などで使われる300種類超の「補給部品」の製造を委託した下請け業者約10社に対し、量産を終えて発注量が大幅に減少し、製造コストが上がったにもかかわらず、発注単価を据え置いていたという。

 量産終了後の部品製造の発注単価を見直さずに据え置いたとして、公取委が買いたたきを認定するのは初めて。公取委は、自動車業界では補給部品の発注単価の据え置きが慣行として続いていたとみている。

金型の無償保管も

 また、同社が長期間発注の見込みがない部品の製造に使う金型など約800個を下請け業者に無償で保管させていたとして、公取委は下請法の「不当な経済上の利益の提供要請」も認定する方針という。いずれも中小企業庁が調査し、公取委に勧告を求める措置請求を行っていた。

 スニックの担当者は取材に、「中小企業庁の調査には全面的に協力してきたが、それ以上の回答は差し控える」などと話した。

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