伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は2日、百貨店を中心に店舗・仕入れ・外商事業の3領域に精通した「三位一体人財」の育成を推進する方針を示した。複数領域の経験を軸に、顧客へ最適なサービスを提供できる体制を整える。グループ企業で手掛ける関連事業と百貨店との間の人材交流も促進し、新たな価値創造につなげる。

同日開いた「サステナビリティ説明会」で明らかにした。同社は百貨店の店頭販売で稼ぐ従来型ビジネスから、顧客データを分析した上で個々の客に合う商品・サービスをグループ事業の中からを組み合わせて提供し収益を増やす「個客業」への転換を掲げている。複数領域の経験者の育成で対応力を強化し、新事業モデルを推し進める。

説明会では社員が実体験を語った。三越伊勢丹の種村俊彦氏は百貨店で接客や仕入れを経験後、セレクト店のイセタンサローネ(東京・港)や外商部に配属された。種村氏は「顧客の解像度が上がる中で自身の提供価値の向上を感じた。幅広い人材網や確度の高い仮説立案、取引先への交渉力などの競争優位性が生まれる」と話した。

百貨店とグループ企業との間で人材交流も進める。金融事業を担うエムアイカード(東京・中央)では現在14人が百貨店に兼務出向中だ。両分野を理解した人材を通じ、顧客の金融サービスの利用が拡大するなど成果が表れているという。各事業では外部の専門人材の受け入れも進め、新たな価値を生み出す人材を育てる。

社内では募集要件の定義や上司との面談、自身のスキルと希望部署の申告などの制度を連携させ、社員がキャリア意識を高めやすい環境を整える。嘉納亜紀子CHRO(最高人事責任者)は「社員が納得して目指せる指針を示したい。組織内のマネジメント力も課題で、発刊したガイドなどを通じ強化していく」と語った。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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