京王電鉄は、超硬合金チップを用いてレール頭頂面を削る「ミリング式」のレール削正車を2026年1月から導入すると発表した。砥石で削る従来の方式よりも広範囲にわたる削正が可能になり、レールの交換頻度を抑制できる。同方式の削正車を導入するのは民営鉄道では初という。
新たに導入するのは独ローベル社製のレール削正車で、縦方向に回転する超硬合金チップを備える切削装置でレール頭頂面を削る。レール破断の要因となる傷を除去し発生を抑え、頭頂面の凹凸を除去して頭部形状を新品形状に近づける。これにより列車走行時の騒音や振動を減らす効果が期待でき、乗り心地の向上が見込める。
これまで同社は砥石で削る方式でレールを削正していたが、広範囲にわたって削正するのが難しく、傷の状態や列車の累積通過重量に応じて適宜レールを交換する必要があった。また、夜間作業の増加やレール交換頻度の多さも課題となっていた。
新方式の削正車は1回の通過で作業区間のレールを削正するため、一晩で広範囲のレールを削正できる。レール交換頻度が3割以上削減され、多大な労力のかかるレール交換工事を減らせる。
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