NECは、光通信の人工衛星群の構築に向けたネットワーク制御技術を開発したと発表した。宇宙と地上間の通信を低遅延・高信頼にし、大容量データの安定的な通信を可能にする。これにより、災害時の状況把握や自動運転といったミッションクリティカルな用途にも使える高信頼な衛星通信サービスを提供できるようになる。
低軌道衛星による従来の通信サービスでは、通信中の瞬断や再接続時間の長さなど通信品質に課題があった。新開発の技術では、衛星の移動による距離変動を計算可能なモデルを作ることで、最適な経路探索と制御を可能にした。このモデルは少ない計算量で処理できるので、衛星と地上局が瞬時に最速の通信経路を選択できる。これにより、データ転送遅延を従来比で半減した。
また、低軌道衛星による通信で頻発する通信経路の切り替え（ハンドオーバー）の課題にも対応した。データが届くまでの時間や経路が途切れるタイミングを予測し、それに合わせてデータを送信する仕組みを開発した。これにより、ハンドオーバーの際のデータ損失や複数経路から送信されたデータの到着順序の混乱による遅延変動を30分の1に抑制する。
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