農水省=東京都千代田区で、米田堅持撮影

 農林水産省は、政府備蓄米の大量放出で減収となった倉庫に対し、新たな荷物を確保できなかった空きスペース分の保管料に限り、2025年度末まで備蓄米が保管されていたとみなして補償する方針を固めた。

 26年度以降は補償のあり方を見直し、「解約予告期間」を新設して放出から6カ月間は新たな荷物を探す期間として保管料を補償する方向で調整する。ただ期間中に新たな荷物の受け入れが決まったスペース分は補償の対象外とする予定で、倉庫側が保管料の二重取りにならないようにする。

 補償は倉庫業界などが備蓄米の一斉放出で収入が減り、撤退や倒産を懸念する企業が増えているとして要望していた。1トン当たり1カ月750円の逸失保管料の支援を求めていた経緯もある。

 農水省は備蓄米について放出が本来想定されているものとの認識があったが、今回は凶作や災害以外での放出となる異例の対応だったことから、25年度に限り補償が必要と判断した。ただ補償は締結していた保管契約に基づく金額をベースに考慮する方針という。

 25年度補正予算案で食料安定供給特別会計に一連の放出関連経費として約95億円を計上し、一部を保管料の補償に充てる。【中津川甫】

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