大成建設は、土木工事での全体施工計画書の作成を支援するシステムを開発したと発表した。視覚言語モデル（VLM）を基盤としたマルチモーダル生成AI（人工知能）を活用する。公共工事の発注情報と同社が蓄積してきた技術ナレッジを基に、国土交通省の書式に準拠した計画書のドラフト原稿を自動生成する。計画書作成の作業時間を従来比で約85%削減できる。

新システムでは、入札公告や工事概要、特記仕様書などの発注情報と、受注時に作成した技術提案などの社内ナレッジを入力すると、AIの文書解析機能で必要な情報を抽出する。これらの情報と、同社で作成した施工計画書の記載事例を基に、マルチモーダルAIが専門用語や文章、図表を組み合わせて約10分で原稿を自動生成する。

生成する原稿は国交省の書式に準拠しており、規定書式であるワードファイルとして出力する。文章の修正や図表の差し替えなどの編集も簡単にできる。

同社は、VLM出力の信頼性が低い箇所を自動特定する技術も開発した。これにより、AIが誤認・誤情報を出力する「ハルシネーション（幻覚）」を防止する。さらに、経験豊富な技術者が特定箇所を精査することで計画書の品質を高められる。

公共工事の全体施工計画書は受注者が工事着手前に発注者へ提出する書類で、工程や施工方法、使用資材・機械、安全・品質管理、環境保全対策、組織体制など多岐にわたる内容を含む。工事規模によっては500ページを超える場合もある。従来は経験豊富な技術者の監督・指導のもと多数の担当者が手作業で進めており、多大な作業負担と属人化が課題となっていた。

大成建設は今後、新システムで確立した生成AIによる文書作成技術を全社に展開し、更なる業務効率化と品質向上を目指す。

本記事は編集プロセスの一部で生成AIの技術を活用しています。生成結果はそのまま利用せず、編集者・記者が確認・加筆・修正したうえで掲載しています。

鄭重声明：本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。