NTTドコモが自社で保有する「NTTドコモ代々木ビル(東京・渋谷、通称ドコモタワー)」を含むオフィスビル4棟の土地の売却を検討していることが5日わかった。売却総額は1000億円超となる見通しだ。ドコモは主力の携帯事業でシェアを落とすなど競争環境は厳しい。保有資産の見直しで経営効率を高める。
今回の売却は土地のみで建物部分は対象としない方針だ。ドコモタワーの屋上付近には、災害時など周囲の基地局が壊れた時に稼働させる「大ゾーン基地局」を備えていることもあり保有を継続する。不動産会社などに、ドコモタワーを含む都内や神奈川県に保有するオフィスビルの土地売却を打診しているという。
ドコモは資産売却について「将来的なネットワークサービス提供を見据えた収納設備のスリム化や移設などを検討している」と応えた。

ドコモは6月からはスポーツ動画配信の「DAZN(ダゾーン)」が見放題の新料金プラン「ドコモMAX」を始めるなどARPU(1契約当たりの月間平均収入)の向上や顧客基盤の強化に取り組んでいる。しかし、販促強化のためのコスト増や通信品質改善のための設備投資が重荷となり、2026年3月期は減益となる見込みだ。
親会社であるNTTの島田明社長は11月の決算説明会において「ドコモの持つ体力でコストカットをしたり、不要になっている資産を売却したりするなどの工夫をしてもらいたい」としていた。
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