旭化成は8日、繊維の染色加工などを手がける子会社の富士セイセン(山梨県富士吉田市)を解散すると発表した。旭化成の主力繊維の染色加工を手がけてきたが、需要減などを受け2027年3月末の生産終了、28年6月末の清算を見込む。
富士セイセンには旭化成が54%、旭化成の子会社で繊維商社の旭化成アドバンスが31%を出資する。旭化成が手がけるキュプラ繊維「ベンベルグ」や不織布など、繊維の染色加工で同社グループ内では国内唯一の拠点となる。富士セイセンの業績は非開示だが、製造費用の上昇や需要減で採算が合わず赤字が続いていた。
旭化成への業績影響は軽微だといい、26年3月期の業績予想にも変更はない。旭化成の繊維事業はベンベルグのほか不織布、弾性繊維の「ロイカ」を手がけるが、事業自体は従来に比べ縮小傾向にある。25年12月には帝人と旭化成それぞれの子会社の繊維商社の統合を発表しており、旭化成は経営資源を成長領域に集中させる。
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