電極面積5000平方センチメートルの触媒付き電解質膜

東京ガスとSCREENホールディングス(HD)は9日、水素製造装置の中核部品である電解質膜の受注を開始したと発表した。電解質膜に効率良く触媒を塗りつける新技術を使って、電解質膜を従来より安く製造できるという。

固体高分子(PEM)型水電解装置の電解質膜はこれまで、触媒を一枚一枚に貼り付けたり、スプレーで吹き付けたりして作っていた。新技術は新聞の輪転機のように高速かつ連続で塗ることで、生産速度を上げる。触媒に含まれるレアメタル(希少金属)の量を減らせるため、価格も抑えられる。電解質膜の価格は非開示となっている。

この電解質膜は「PEXEM(ペクセム)」と名付けて売る。製造はSCREEN、販売は東京ガスが担う。SCREENの工場は電極面積最大5000平方センチメートルの電解質膜を、国内最大規模となる年200万キロワット相当製造できる。今後の需要に応じて生産規模を3倍まで増やす計画だ。現在までに水電解装置のメーカー45社から引き合いがある。

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