
【ヒューストン=大平祐嗣】起業家のイーロン・マスク氏が率いる米宇宙開発のスペースXが2026年にも新規株式公開(IPO)を検討していることが9日、わかった。米ブルームバーグ通信が報じた。上場時の調達額は300億ドル(約4.7兆円)を上回り、過去最大規模になる可能性がある。
これまでの過去最高の資金調達額は、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコによる上場時(290億ドル)だった。スペースXはこれを上回る資金調達を検討している。
ブルームバーグは複数の関係者の話として、26年半ばから後半に上場を目指していると報じた。市場環境によっては27年にずれる可能性もある。調達資金の一部を宇宙のデータセンター開発に充てる計画で、必要な半導体チップを購入するという。
スペースXは再使用のロケット「ファルコン9」の技術を確立し、世界のロケット打ち上げシェアで過半を握るほか、衛星インターネット通信「スターリンク」のサービスでも市場を独占して急成長している。月や火星探査用の大型船の開発も進めている。
同社は02年設立の非上場企業。企業価値は数千億ドルとされる。5日には自社の企業価値を8000億ドルと評価し、一部株式の売却を進めていると米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じていた。マスク氏は6日にX(旧ツイッター)で報道について「正確ではない」とコメントしていた。
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