三井金属は八戸製錬の生産設備の早期復旧に努める(青森県八戸市)

三井金属は11日、八戸製錬(青森県八戸市)が同県東方沖で発生した地震で被災し、復旧までに4カ月前後かかる見通しだと発表した。自動車用亜鉛めっき鋼板に使う高純度の亜鉛がつくれなくなる。八戸製錬は三井金属の亜鉛生産のおよそ半分、国内の約4分の1を占める。2026年2月〜5月上旬に予定していた定期修繕を前倒しして早期復旧に努める。

八戸製錬では2つの生産設備の稼働がとまった。そのうち純度99.995%以上の「精留亜鉛」をつくる精留塔の復旧に時間がかかる。定期修繕に備えて通常より積み増していた在庫を活用するなどし、サプライチェーン(供給網)への影響を減らしたい考えだ。

一方、純度98.5%以上の「蒸留亜鉛」の生産設備である溶鉱炉は、内部が一部未確認であるものの、1〜2週間以内の復旧を見込む。蒸留亜鉛は橋梁やガードレール、信号機の支柱など屋外構造物の防さび用めっき材料として使う。

八戸製錬の生産能力は年間11万2000トン。同社傘下の神岡鉱業(岐阜県飛騨市)や彦島製錬(山口県下関市)での代替生産も検討する。三井金属以外ではDOWAホールディングスの秋田製錬(秋田市)が年約21万トンの生産実績がある。

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