厚生労働省は75歳以上が入る後期高齢者医療制度の年間保険料の上限を2026年度にいまの80万円から85万円に引き上げる方針だ。加入者全体の1.2%が対象になると見込む。高所得者の負担を増やし、医療費の膨張に対応する。

12日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で提起する。年金と給与収入を合わせて年1150万円以上といった層が対象になる。

中・低所得者の保険料負担を抑える狙いもある。例えば、年収400万円ほどのケースだと26年度の年間保険料は前年度比で4.2%増のおよそ29万7000円と見込む。高所得層の限度額を上げない場合の5.3%増よりも低くなる見通しだ。

後期高齢者医療制度が始まった08年度の保険料上限は50万円だった。高齢化による医療費の増加をふまえ、段階的に引き上げている。

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