ソフトバンクは、5G向けに割り当てられたミリ波を固定無線アクセス通信（FWA）のバックホール回線として活用する、屋外での公衆無線LANサービスの実証実験に成功したと発表した。3日間で延べ16万人以上が来場した大規模な屋外イベント会場で実施した結果、高速・安定した通信ができることを確認した。
今回の実証実験は東京都豊島区の大規模屋外イベント会場で、商用の5Gミリ波の基地局と屋外設置型のFWA用構内設置機器（CPE）を用いて実施した。ソフトバンクとワイモバイルの利用者に加え、他の通信事業者の利用者や訪日外国人を含む一般の来場者にも公衆無線LAN通信サービスを提供した。
会場各所に無線LANアクセスポイント6台を設置したところ、最も混雑した時間帯でも安定した高速通信を実現した。ミリ波非対応のスマートフォンなど多数の端末のトラフィックをモバイルネットワークから公衆無線LANサービスへ効率的にオフロードしながら、高品質な通信環境を提供できることが確認できた。
今回は公衆無線LANサービスの実運用を想定し、チャネル帯域幅を20メガヘルツに限定した条件下で実施したが、今後はより広い帯域幅を用いることで通信のさらなる高速化が見込めるという。多くのスマホが同時接続した際のトラフィックを効率的に公衆無線LANサービスにオフロードすることで、モバイルネットワークの負荷軽減と全体の通信品質向上が期待できる。
ソフトバンクは今回の結果を踏まえ、ミリ波FWAと無線LAN通信の組み合わせ最適化なども含めたミリ波利活用の検証を進めていく。
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