CTV1番船を前にあいさつする日本郵船の曽我貴也社長(12日、岩手県釜石市)

日本郵船は12日、同社が発注した新造船「アルフォンシーノ・アロー」の進水式を岩手県釜石港で開いた。洋上風力発電設備の作業員輸送船(CTV)の1番船で小鯖船舶工業(岩手県釜石市)が建造した。引き渡しは2026年3月になる見込み。秋田県沖での基礎工事に投入されるもようだ。

北海道・三陸沖後発地震注意情報を受け、参加者に式典会場からの避難経路を示す地図が配られた。式典は午前10時半までに終わり、地震で中断されることはなかった。強風のため実際の進水作業は13日に順延した。

支え綱を切断した達増陽子・岩手県知事夫人(12日、岩手県釜石市)

1番船は全長28メートル、幅9メートル、総トン数145トンのアルミニウム合金製の双胴船。洋上風力発電施設の建設や保守などを担う作業員を運ぶため、速さや快適性が求められる。日本郵船の曽我貴也社長は小鯖船舶に発注した背景を「アルミ製船舶の高い造船技術を持つ」と説明した。

小鯖船舶では2番船の建造も始まっている。8月に三菱商事が秋田県と千葉県沖の洋上風力発電事業からの撤退を発表したが、曽我社長は「長い目で見ればCTVの需要はどんどん高まる」と話した。

進水式を終えたCTV1番船(12日、岩手県釜石市)

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