星野リゾート(長野県軽井沢町)は、福岡県初進出となるホテルを2026年7月24日、北九州市門司区西海岸の門司港レトロ地区に開業する。現在、建設中の10階建て複合施設の3階以上に、若者向けホテル「BEB5(ベブファイブ)門司港」として、関門海峡を見渡せる全室オーシャンビューの119室を構える。
星野リゾートは、旅の目的や過ごし方に合わせて、六つのブランドを展開。関門海峡を挟んで11日に開業した「リゾナーレ下関」を始め、国内外で74施設を運営する。「BEB」ブランドは4施設目。
「居酒屋以上 旅未満」をコンセプトに、低い価格帯が特徴で、料金は2人利用(食事別)で1人1泊6600円(税込み)から。レストランや大浴場、最上階には飲食物を持ち込んでくつろげるパブリックスペースを設置。夜景を楽しみながら長く滞在できる。
市によると、レトロ地区で100人以上が宿泊できる大型ホテルの開業は「ホテルルートイン門司港」以来21年ぶり。BEB5が入る複合施設「PORT TOWN MOJIKO(ポートタウン門司港)」は、「美里建設」(小倉北区)が施工を進めており、26年4月中旬ごろの完成を目指している。
また、BEB5と同時開業する1~2階の商業エリアを担う「JLLリテールマネジメント」(東京・千代田区)によると、施設内には門司港ゆかりのラーメン屋や焼きカレー店、北九州で人気のアイスクリーム店や、すし店のほか、カフェや雑貨店などが入居する予定だ。
15日にあった記者会見で、星野リゾート企画開発グループの瀬尾光教(みつのり)ディレクター(51)は、「(門司港は)コンテンツは豊富だが、日帰り観光地的なところがある。大都市圏からのアクセスも良いので、新たなホテル展開で、現地での過ごし方に深みを出したい」と説明した。武内和久市長は「ホテルは若い人の感性に寄り添う新しい価値観の提案になる」と評価。「宿泊(施設不足)はボトルネック。泊まって楽しむ観光地の一歩にしたい」と期待した。
ホテル誘致を巡っては、市が所有するJR門司港駅そばの旧JR九州本社ビルも公募を開始。武内市長は「ストック(既存施設)を有効活用して、民間主導の投資を呼び込んでいく経済をつくっていく」と話した。【橋本勝利】
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