有明海でノリの種付けをする漁師ら(11月、佐賀市)=代表撮影

佐賀県産の新ノリの初競りが、佐賀県有明海漁業協同組合(佐賀市)で15日に開かれた。2年ぶりに最上質品も出品されたことで、平均単価(1枚=全型21センチメートル×19センチ)は51円75銭と昨年の35円23銭を大きく上回って過去最高値を更新した。

販売枚数は約1億1600万枚と昨年から6%増加。販売金額も同56%増の約60億3700万円といずれも過去最高だった。2年ぶりに出品された最高品質ブランドの「佐賀海苔(のり)有明海一番」も、1枚当たりの最高値で390円をつけた。2年前の最高値は355円だった。

今シーズン最初の入札会には全国から51社・約300人の業者が新のりの買い付けに訪れた。有明海漁協によると、今年は海の栄養塩は少ないものの、赤潮の発生が見られなかったことから、うまみを蓄えた味の良いノリが収穫できているという。

有明海ではここ数年、小雨の影響で海の栄養塩が足らず、ノリ漁が始まる10月中旬になっても水温も高い状態が続いていた。このため今年は水温の低下を待って、ノリの種付けを11月上旬に遅らせた。

山口祥義知事は16日、「県西南部も含めて黒々とした良いノリが取れていて何よりだ。(海底を掘り起こして環境を改善する)海底耕うんを地道にやった成果という声もある。今後もありとあらゆる取り組みを続けていく必要がある」と記者団に語った。

有明海漁協では4年ぶりの日本一奪還に向けて、今シーズンは販売枚数で14億枚、販売額で245億円を目標に掲げている。

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