金鳥ブランドで知られる大日本除虫菊(大阪市)が蚊を防除するスプレーに関する特許権を侵害されたとして、アース製薬を訴えた訴訟の判決で、東京地裁(高橋彩裁判長)は17日、請求を棄却した。大日本除虫菊の特許は要件を満たしておらず無効との判断を示した。
同社はアース製薬が販売する「おすだけノーマット」シリーズの製造・販売差し止めと1億円の損害賠償を求めていた。大日本除虫菊は控訴する方針。
訴状などによると、大日本除虫菊は蚊が飛んでいる時間よりも壁などに長く止まる習性を発見。スプレーの噴射方法などを調整して薬剤を壁などに付着させることで蚊を防除する技術を発明し、「蚊がいなくなるスプレーシリーズ」として発売している。
アース製薬の「おすだけノーマット」シリーズの製品はこの技術を模倣したもので特許権を侵害していると主張していた。
これに対し、アース製薬側は特許権を侵害していないと反論。先行の文献や製品に基づき容易に発明することができるなどとし、そもそも特許は成立していないなどとしていた。
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