アスクルは17日、物流システムを使用した商品出荷を再開した。10月19日に発覚したサイバー攻撃を受けてシステムの稼働を停止していたが、約2カ月ぶりに再開した。当面は東京都と埼玉県の物流センター計2カ所から出荷するが、残る全国の主要8拠点も順次再開し、受注・配送サービスの全面復旧を急ぐ。

都内の物流センターで記者団の取材に応じた同社の吉岡晃社長は、サービスが滞っていることについて「多くのお客さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げる」と陳謝。その上で「セキュリティーガバナンスの抜本改革を実施することで使命を果たしていきたい」と再発防止に全力を挙げる考えを示した。

同社は10月末から一部の商品についてファクスで注文の受け付けを再開していた。今後はシステムの再稼働を踏まえ、コピー用紙など需要の高い品目を中心に、注文に応じられる商品を増やしていく方針だ。吉岡氏はサービスが本格的に復旧する見通しについて、「安全稼働を見定めて、順次(全国の物流センターの)再開を果たしていく」と述べるにとどめた。

アスクルの物流センターで、記者団の取材に応じる同社の吉岡晃社長=17日、東京都江戸川区

アスクルの物流センターで、発送する商品を仕分けするスタッフ=17日、東京都江戸川区

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