日本は今年で航空自由化から40年の節目を迎えた
日経電子版で産業史の新たな断面を読み解く新しい連載「産業史秘録」を始めました。歴史的な産業事件や勝負の分かれ目となった出来事を振り返り、今につながる教訓や視点を考察します。第1弾は航空の自由化を取り上げました。1985年に始まった自由化の政策から今年で40年の節目を迎えています。国は競争の促進を通じて、消費者の利便性や航空会社の競争力向上を狙いましたが、足元では航空会社のほぼ全社が国内線で実質赤字の状況です。航空自由化は何をもたらしたのでしょうか。その光と影を取材した連載企画をまとめました。
航空自由化、流転の40年 JAL・JAS統合でしぼんだ改革

運賃や路線開設を企業が決められるようになった日本の航空自由化への方針転換から、12月で40年がたった。この間、日本航空(JAL)の経営破綻があったが、競争を是とした政策は継続され、運賃やサービス面で利用者の利便性は向上した。一方、国内線では消耗戦の末、経営危機に直面する航空会社も出てきた。自由化の光と影を探り課題を考える。…記事を読む
ANAが崩した「羽田の壁」 国際化問題、突破口は韓国便

日本航空(JAL)と日本エアシステム(JAS)が2001年11月に経営統合を発表し、国際線と国内線のすみ分けは崩れ、自由化の第一歩を踏み出した。各社が自由に路線を張り、競争をさらに促進するには乗り越えなければならない壁が残っていた。「羽田は国内線、成田は国際線」と運輸省(現国土交通省)が頑として譲らない羽田空港の国際化問題だ。…記事を読む
デルタ航空に差し出されたJAL、倒産危機に官民翻弄 覚悟なき自由化

2002年からの羽田―金浦空港間の日韓臨時チャーター便の就航以降、航空自由化は一段と進んだ。日本エアシステム(JAS)を取り込んだ日本航空(JAL)だが、広がった既得権益に安住し破綻の危機に追い込まれた。「護送船団方式」でなれ合い続けた官民は、自由競争による再編・淘汰を受け入れる覚悟もなく、危機に翻弄され続けた。…記事を読む
新生JALにおびえたANA 幻の買収提案、KKRが進言

会社更生法の適用で負債の大幅カットや大規模な人員削減により日本航空(JAL)の業績は急回復した。こうした事態に対し全日本空輸(ANA)は「公正な競争」を国土交通省に求めた。その結果の一つがドル箱路線である羽田空港の発着枠をANAに多く割り振った「傾斜配分」だ。…記事を読む
スカイマーク争奪戦の余波 反撃のデルタ・大韓航空、かすむ日本の空

日本航空(JAL)の破綻から5年後の2015年、新興のスカイマークが民事再生法を申請した。スポンサーの座を狙って米デルタ航空が名のりをあげたが、ANAホールディングス(HD)が阻んだ。締め出された外資は逆に「日本離れ」を進め、韓国の台頭を後押しする皮肉な結果を招いた。…記事を読む
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