赤ちゃんと通える女性専用のジム「ママジム」が盛岡市にできた。個人で経営する田村有希さん(37)は、海外4カ国での生活、Uターン、コロナ禍、結婚、出産、子育てを経験。産後のダイエットだけでなく、子どもを預けて母親が安心して運動で汗をかき、心もすっきりして笑顔になることを願っている。
田村さんは高校生の頃から経営者になるのが夢だった。高校卒業後、大学に進学せず、「人生経験を積みたい。英語も勉強したい」とカナダ、豪州、ニュージーランド、パラオで計10年以上、働きながら暮らした。
ニュージーランド滞在中にボディービルに出合い、筋肉美を競う大会にも出場した。30歳で盛岡にUターン。帰国後に新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた。
英会話教室で働いた後、2022年に女性専用ジムを開業。23年に結婚。出産で24年にジムを一時休業したが、産後1カ月半で仕事復帰した。出産4日前と産後1カ月の自身の写真を公開している。「生後1カ月の息子を連れて営業。おむつの交換や授乳しながらトレーニングを指導した」と振り返る。
子連れで営業を再開したことが、思わぬ反響を呼ぶ。「赤ちゃんを連れて行っていいですか」「子連れでジムに通いたい」。ジムに行きたくても行きにくいママたちの声に応えて、ジムを一新。会員で保育士の太田代ゆかりさん(38)=盛岡市=に声をかけ、託児付きママジムを25年11月からスタートした。
太田代さんも小学2年と幼稚園児の2児の母。「高校時代は吹奏楽部で、運動は好きじゃなかったけど、子育ての合間にトレーニングをすると前向きな気持ちになれる。リフレッシュできた」と言う。預かった子どもたちの世話をしながら成長を感じている。
ママジムの正式名は「イン・バランス」。心身のバランスを整える手伝いをするという意味を込めた。ママジムはトレーニングのメニューの一つ。託児付き(生後3カ月以上)で2時間3800円。お茶を飲みながら、母親同士で会話を楽しんだり、情報交換したりする時間を確保している。子育て中の女性以外のメニューも用意している。
田村さんは「仕事復帰して社会と関わりを持てたことが、精神面で良かった。離乳食など子育ての悩みを話して、共有できる人がいると元気になれる。母親も自分の時間が大切。ママがハッピーだと家族も幸せになれる」と信じている。【山田英之】
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