鋳物部品などを手がける鍋屋バイテック(岐阜県関市)は22日、鋳物技術を使った消費者向け商品の展開を始めたと発表した。第1弾としてお香立てとペーパーウエイトのネット販売を自社サイトで始めた。工業製品にとどまらない鋳物の新たな活用として、社員らの自由な発想やアイデアを商品化した。

お香立ての「焚香(たこう)」(税別1万2300円)は山の頂をモチーフにしたデザインで、鋳物の重さと安定感を生かしつつ、立ち上る煙が山に立ち込める霧のように見えるよう仕上げた。新入社員がつくりたい鋳物商品を自由に企画して製造する研修を通じて、約2カ月で商品化に至ったという。
紙や本の重りに使うペーパーウエイト「リアル富士」(税別5800円)は富士山を10万分の1スケールで精密に仕上げた。インテリアとしても楽しめる。

2商品は将来的に、実店舗での販売も視野に入れる。鍋屋バイテックは2商品合計で2026年に年500万円の売り上げを目指す。今後も消費者向け鋳物商品の企画・開発を継続する方針で、年間5商品程度のペースで新商品を発売していきたい考えだ。
さびない、重みや安定感があるなどの鋳物の特性を生かした幅広い商品が展開できるとみる。岡本友二郎社長は「工業製品でも製品化はチャレンジを伴う。開拓精神を失わないために、消費者向け商品でも失敗を恐れず挑戦していく」と話した。
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