塩野義製薬は22日、うつ病治療薬「ズラノロン」について、国内で製造販売承認を取得したと発表した。従来の抗うつ薬は効果が出るまでに6〜8週間かかるケースが多い。ズラノロンは臨床試験(治験)で投与開始から3日目で症状改善を示す即効性が確認されており、治療期間の短縮が期待される。
塩野義はズラノロンの日本での開発・販売権を米セージ・セラピューティクスから取得している。国内で実施した第3相試験では、1日1回30ミリグラムを14日間投与した結果、投与開始3日目からプラセボに対して統計学的に有意な改善を示した。
2週間の投与後に6週間の休薬期間を設け、医師の判断で再投与を判断する。長期の連日投与が前提となる抗うつ薬が多い中、短期投与と休薬を組み合わせて、めまいや吐き気などの副作用による負担を減らす。
塩野義は、生活の質(QOL)が低下する疾患領域を感染症と並ぶ成長分野に育てる方針で、ズラノロンを2027年3月期以降の成長ドライバーの一つに位置付ける。
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